V6と私
V6解散の日が近づいてきている。
という書き出しの文章を数日間かけて書いている。書いているうちに当日を迎えてしまった。V6は、今日、解散する。
解散が発表されてから約半年間、彼らの姿をテレビで見る機会がこれまでより格段に増えた。もしかしたらもともと同じくらい出ていたのかも知れないけど、私が能動的にチェックする頻度は確実に上がっていた。
ここまでですでに伝わっているかもしれないが、私はV6の熱心なファンというわけではない。
CDは数枚持っている。ファンクラブには入っていない。たまたまテレビでチャンネルを合わせたときに彼らが映っていれば何となく見る。「ジャニーズの中でいちばん好きなグループがV6」と言ったところだろうか。この文章は、そんな私とV6の思い出記録だ。
V6が結成・デビューした1995年、私は高校1年生だった。1979年生まれの森田剛くん、三宅健くんと同い年で、学年で言えば健くんと同じ。
当時私はSMAPが好きでアイドル雑誌を良く買っていたので、V6の6人のうち5人は何となく顔も名前も知っているメンバーだった(岡田くんだけはちょっと特殊な入所経緯だったので全く知らなかった)。結成当初は特に興味がなかったけど、Jr.時代から井ノ原くんを好きだった友人や「『Vの炎』おもしろいよ」と勧めてくれた友人の影響で、いつの間にかすっかりハマってしまった。
「熱心なファンではない」と言ったが、実はデビュー当時はけっこう夢中で追いかけていて、数年間はCDを買ったりコンサートに行ったりしていた。しかし、1997年にファンクラブが発足された頃から、色々な理由で少しずつ現場から遠ざかってしまった。
と言うような、私とV6の出会いから現在に至るまでの思い出話を詳細に書いていたのだが、あまりにも長くなってしまったので書き直した。私がV6とともに歩んだ約2年間ちょいとその後についてはそのうち別記事で改めてまとめようと思う。興味があれば読んでみてください。ただの回顧録です。
現場からは遠ざかってしまったが、最初に書いたとおりV6は「ジャニーズの中でいちばん好きなグループ」だし、たまたまテレビに出ているのを見かけたら見るし、ファンクラブに入っている友達に「次のコンサートのチケット一緒に取ろうか?」と言ってもらったら、他に予定がなければ喜んで行かせてもらうくらいには大好きだ。
今、私には生涯をかけて応援するだろうと思っている対象が別にいるので、V6を優先はしないが、当時夢中だったことと、今も好意的であることには変わりはない。
私にとってV6は「かつて好きだったけど、今は別に好きじゃないグループ」ではない。「かつて熱狂的に好きだった時期もある、今でも好きなグループ」だ。冷めたのではない。テンションが落ち着いて、全ての情報を吸収しなくても満足するようになっただけだ。
CDは買っていない。ファンクラブにも入っていない。彼らには全くお金を使っていない。だから「ファン」とは言えないと思う。でも大好きだし、解散は本当に淋しい。
例えるならカレーライスのような存在かなと思う。別にカレーじゃなくてもいい。ラーメンでも回転寿司でもいいんだけど、カレーとかラーメンとかって、もともと嫌いじゃなければ、よっぽどのことがない限り嫌いになることはめったになくて、たぶん一生まあまあ好きだという人が多いのではないだろうか。たまに自分から積極的に摂取しに行くこともあるけど、基本的には「いつでもいい」と思っている。そんな感じ。別に改めて言う機会もないけど「ずっと好き」みたいな。
いつもそこにあるから、6人で定期的にCDを出したりテレビに出たりしているから、気が向いたときに自分のペースでコンテンツを楽しめばいいと思っていた。
でも、そうではなくなってしまった。2021年11月1日、本日をもって、V6は解散する。もう、6人でCDを出すこともないし、音楽番組にもバラエティ番組にも出ないのだから、たまたま点けたテレビにV6として新たな映像が流れていることもない。
今までだって別にCDは買っていないしテレビもラジオも雑誌もチェックしていなかったんだから変わらないじゃん、と言われるかもしれない。それは本当にその通りで、1997年頃以降、自分から積極的に情報を集めることはしていなかった。でも「いつでも見られる」と思っていた、それがなくなってしまうことが、とても淋しい。
26年間ずっととは言わなくても、CDやグッズを買って彼らを経済的にも支えていたファンの皆さんからしたら、解散特需でたくさんテレビに出始めて、そんな状態になってからツイッターやら出演情報やらチェックするなんて身勝手だと思うかもしれない。本人たちも「今さら何よ」と思うかもしれない。
でもさ、たまに無性に食べたくなる実家の近所の定食屋のチャーハンが、来年の春には店を閉めちゃうから食べられなくなるよって言われたら誰だって淋しいと思うんだ。最近あんまり行っていなかったけど、お店が閉まるまでにはなるべく行っておこうって思うでしょ。
私にとってV6ってそんな存在で、昔から大好きで、ときどき懐かしく思い出す、かつては我を忘れるほど夢中になって追いかけた青春の一部なんだ。
この文章、実はもともと書いていた長編ver.と合わせて一週間くらいかけて書いているんだけど、書き始めた頃は「今日が最後の◯◯出演」ラッシュだった。長々と書き続けて完結が見え始めた今はもう、全てのテレビ出演が終わり、あとは本日のラストコンサートを待つだけになっている。
解散が発表された日、何度か一緒にコンサートにも行って、今はもうお互いに違う推しを応援しているけど今でもずっと仲良くしてもらっている友達と、SNS上でひとしきり思い出に浸って泣いた。その後も、ちょこちょこテレビに出ているのを見ては泣いているし、これを書きながら予定を確認しようと公式ホームページを開いてまたちょっと泣いた。
今日、私はV6とは関係ない予定があって出かけるけど、ラストコンサートの配信は見たいなとは思っている。思ってはいるけど、見られるかどうかはまだわからない。予定との兼ね合いもそうだけど、気持ち的なものも……でも見なかったらたぶん後悔するんだろうなあ。先日横浜アリーナのコンサートに参加した友達が「見届けるの辛いわ」と言っていて、本当、本当にそう……見たいけど、見届けたら本当に終わっちゃうんだなって思ってしまって、見るのが怖い。いや私が見なくても終わるものは終わるんだけど……。
とりあえずグッズを買おうか。あの干支のイラスト、とてもかわいい。私は剛くん・健くんと同い年なので、自分の干支が登場しているのが嬉しい。いやお前、こんなに感傷に浸っておいてグッズも買ってないんかいという突っ込みが聞こえてきそうですが、その辺はまあ、いろいろと事情があると言いうことでお願いします。
長くなりすぎたからと書き直したのに、それでもまあまあ長くなってしまった。特にオチというものもありません。自称「現役お茶の間ファン」と言う名の、中途半端な古参ファンのお気持ち表明でした。読んでくださった方、ありがとうございました。
末筆ながら、V6の皆さんのご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。
全てのことに、全ての人に、ありがとう。